#12 セミナー8日目<前編> オールボー動物病院訪問のお話
★9月17日(火)
~8日目スケジュール~
10:00~ オールボー動物病院視察
12:00~ モールのレストランで昼食
13:30~ モールにてトレーニング見学
14:30~ お茶会、質疑応答
16:30~ Farewell Party
20:15~ 閉会あいさつ
************************************
デンマーク セミナー最終日です。
午前中はオールボー動物病院を見学しました。
2019年9月現在、ここには専門獣医師が4人、動物看護師が6人、研修中のスタッフが2人勤務しています。
デンマークの中でも大きな総合病院で、難しい手術の際は、デンマーク国内各地から受診にやってくるとか。説明して下さったベリット院長はガンの専門医だそうです。

中央の赤いシャツの女性がベリット院長、全ての部屋を案内下さいました。
白で統一された清潔感溢れる院内は、入るとすぐに犬と猫とに分かれた広い待合室があります。犬や猫が落ち着ける様に、それぞれに作用するフェロモンを常に院内に満たしているそうです。

コンセントに挿し込み、24時間すこしずつフェロモンが放出されかなり効果があるそうです。
動物に優しい動物病院は、如何に動物達にストレスを与えないかを常に考え、必要ならば病院に慣れる為のトレーニングも無料で行っています。
子犬の診察では、診察台を床にまで下げ、トリーツを投げてただ待つだけの日もあったり、強制や保定を嫌う猫の場合は、診察室内を自由にさせて猫の好きな所での診察を行ったり、猫用のブランケット(持参も可)を使用して、猫ごとに洗濯をし、決して犬の診察では使用しないなどの徹底ぶり!
「強制的な診察は、獣医師にとっても、動物にとっても良いことはありません。無理な場合は鎮静をかけることもありますが、レメディーを使用して診察を行うこともあります。マズルガードを使用する事は獣医師として負けた気分になります。」とベリット院長は話してくださいました。
上の写真は、スタッフミーティングルーム、毎朝ここで1日のプランやチーム分けを行うそうです。いつもコーヒーにケーキ、果物が机の上に。ヴィベケ先生はそれを知っていてこの部屋が大好きだとか。
デンマークでは獣医師と動物看護士の立場は対等で、互いに意見を言ったり、アドバイスを求め合ったりもするそうです。

レントゲン室、セミナー参加の皆さん真剣です。

手術室、中央に3台、奥に2台。奥の手術室は細菌感染等に特に注意の必要な手術を行います。

院内ですべての検査を行える設備が備わっています。

院内ですべての検査を行える設備が備わっています。
診察室―レントゲン室―オフィス―ミーティングルーム―手術室―検査室―入院室
と余すところなく見学させて頂きました。デンマークでは多くの場合、手術は午前中に対応し、一般外来は午後の受付となります。
出来るだけ1日入院となる期間を早く終わらせ、朝病院から自宅に戻り、昼間は自宅で過ごし、夜再び病院に連れてきてもらうことも実施しているそうです。夜間救急は周辺獣医師と当番で担当し、常にどこかの病院へお願いできるようになっているそうです。
入院室を見学させていただいた際の印象は“薄暗い…”ものでした。これも犬や猫が落ち着けるように、古いつくりでもわざと少し暗く感じる犬舎の素材を選んでいらっしゃるそうです。

腫瘍摘出手術予定のコッカー。ブウランケットにくるまれておとなしく頑張っていました。
私達へ説明をしてくださっている間も、受付は問合せの電話が…信頼の強さがうかがえました。
いよいよ次回は最終回
ショッピングモールでのサービスドックの仕事について、をお届け致します。