#5 セミナー3日目 サービスドッグについて<前半>
★9月12日(木)
~3日目スケジュール~
10:00~ セラピードッグ(精神的補助をする犬)のトレーニング(理論)
11:00~ 休憩
11:15~ セラピードッグ使用者 ヘレさん、ジューンさん、ヤンさんのお話
12:00~ 昼食
13:15~ トレーニング見学
14:00~ 休憩
14:15~ トレーニング見学(続き)
15:30~ 質疑応答
16:00~ 解散
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さて、1日たっぷりとサービスドッグのお話でした。
各日のタイムスケジュールはヴィベケ先生から提示されたものを記載しています。
ここではセラピードッグと記載していますが、デンマークでは控えている表現です。(詳細は#1 セミナー1日目前半の記事をご覧くださいね。)
3日目は、私達への説明として、精神的補助をする犬=セラピードッグと表現されました。

突然、人が泣き出すデモンストレーション。サービスドッグのインディ君とチリちゃんがすぐに駆け寄ります。インディ君は、泣いている人の前におもちゃを落としました。
実際にサービスドッグと生活をしている3名の方のお話や、どういったサービスをするのか?そのトレーニングについての説明を受けました。
RPTMで取り組むサービスドッグのトレーニングは、必要としている患者さん(飼い主さん)と犬とが共にユニットとして教育を受けます。トレーニングした犬を必要としている方の元へ送り出す形式をとらないのが特徴です。そのため、サービスドッグの飼い主さんは、家庭犬のトレーニングよりもより深く理論を学び、時にはヴィベケ先生のほかに、大学教授や研究者からの講義の機会もセッティングをするそうです。
セミナーの最中に「ヴィベケの願い」として、
「サービスドッグの認定を受けても、初めて訪問する施設に行く前には『犬が一緒に行きます』と電話などで先方に伝えて欲しい、相手への失礼になってはいけないから」との話しが印象的でした。
この日最初に講和頂いたのは、ホワイトシェパードのマーフィー君(5ヶ月の男の子)と、飼い主さんのヘレさんです。ヘレさんは元弁護士としてグリーンランドで仕事をしていましたが、PTSDを発症しデンマークへ帰国。グリーンランド滞在中にヴィベケ先生とは連絡を取り合っており、帰国後すぐにパピーの選定(チェックはヴィベケ先生が実施)をし、トレーニングを開始したそうです。
当日のマーフィー君はといえば、パピーとはいえ、素晴らしい集中力(コンタクト)でした。

実は体調の悪い中お越し下さったヘレさん、マーフィーはそんな彼女を心配して、片時もそばを離れずアイコンタクトを絶えず続け見守っていました。
サービスドッグ認定には、最短で約2年半の時間が必要ですが、「ヘレさんはトレーナーとしての教育も受けているので、マーフィーのテストはもう少し早まるかも」とヴィベケ先生が一言。9月中には映画館やショッピングモール内でのテストも控えていると教えてくださいました。
現在は仕事再開が難しいと話すヘレさんでしたが、マーフィー君がサービスドッグの認定を受けた後は、仕事復帰できたいたらいいなともお話下さいました。
お話の後半、懸命にアイコンタクトを取ろうとするマーフィー君には疲れが見え始めました。フセをして顔をヘレさんに向けたままでうつらうつら…、すかさずヴィベケ先生がヘレさんへ休ませるようにアドバイスを。

マーフィー君を休ませてあげるようにアドバイスをするヴィベケ先生
頑張りすぎている時には、わざと休む時間を作ってあげなければいけないと付け加えられました。

お疲れ様。そっと手を添えて横にしたヘレさん。気持ちよさそうなマーフィー君
サービスドッグ後半(第6話)へつづく・・・