#3 セミナー2日目 狩猟犬について<前半>
★9月11日(水)
~2日目スケジュール~
10:00~
デンマーク猟犬協会 Henrik Vestergard
猟犬トレーニングと警察犬の担当者として(講義)
12:00~ 昼食
13:00~
デンマーク猟犬協会 Henrik Vestergard
猟犬トレーニングと警察犬の担当者として(続き)
15:00~ 質疑応答
16:00 解散
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9時に迎えのバスに乗り、ホテルからヴィベケ先生のもとへ…。

RPTM施設へ続く道の看板・・・田舎だとヴィベケ先生自身がおっしゃいますが・・・のどかな風景です。
デンマークセミナー2日目は猟犬について、講師にヘンリック ヴェスターガード氏をお迎えしての講義でした。
ヘンリックさんの前職は警察官。25年の勤務の中で、警察犬のハンドラーやインストラクター、若手の育成に15年間携わったそうです。5年前に退職し、2014年から猟犬のコンサルタントを開始。現在は3頭のコッカースパニエル(猟犬)と盲導犬としてトレーニング中のラブラドールと暮らしているそうです。

朝から夕方まで、実技や動画、パワーポイントデータで講義をしていただきました。
デンマークには、580,000頭の犬が飼育されており、その内1/5が猟犬として猟師である飼い主さんと一緒に猟に出ています。ですが、1日の9割は家庭犬として暮らしています。750人のインストラクターが毎年15000人に飼い犬の狩猟犬トレーニングを実施し、ヘンリックさんは毎年50人前後の新人インストラクター育成も行っています。
狩猟は、鹿・鳥(主にキジ)・キツネ猟を、自然保護と、増えすぎる種のバランスを保つこと、病気予防の為に9月1日~翌年2月1日まで行われるそうです。
16歳から猟師としてのライセンス取得ができ、その為には、野生動物の事、法律の事、デンマークの倫理観などの教育を受け、その内容には、獲物を仕留めるほかに、100年前から続く、獲物の処理方法も含まれます。銃をもつライセンスに至っては、さらにその後試験を受け認められるそうです。
ちなみに…交通事故に遭い亡くなる動物が年間1万匹いるなかで、傷を負いながら逃げてしまう野生動物や、年間8000匹の動物が猟銃で撃たれた後に逃げてしまうとか。そんな時は、若い猟犬を連れてそれらの動物の捜索に当たり、怪我をした動物を放置しないボランティア猟師の活動もあるそうです。
デンマーク国内で活動している猟師さんの平均年齢は40~45歳、49歳(2019年9月現在)のヘンリックさんは「もう少し若い猟師が増えて欲しい」と一言・・・(日本猟師の平均年齢よりはるかに若いと思うのですが・・・とは筆者の感想です。)
午前中に、ヌーガー君(5歳 牡)、午後にミーヤちゃん(2歳 牝)のデモンストレーションを見せて頂き、さらに実技についての解説を事細かに話してくださいました。
ヌーガー君のデモンストレーションは、オビディエンスから始まりました。

ヘンリックさんの手の動きや言葉に集中しているヌーガー君
ハンドラーを意識しながらぴったりと左足側に脚側で歩きます。「おすわり」「ふせ」としっかりできたらヘンリックさんのベストからオレンジ色のボールが登場!高く投げ上げられたボールを大喜びで追いかけ、大急ぎでハンドラーの下へもってきて「もっとやろう!」とでもいっているかのように生き生きとした表情でヘンリックさんの手の平へ返します。(回収したものをきちんと手の中に渡すのは、猟犬としてとても大切だとも付け加えられました。)

ダミー回収も、ボールも同じテンションで楽しそうなヌーガー君
次に、猟犬のトレーニングに使用するダミー回収のデモンストレーションを実施。
様々な状況での回収では、ホイッスルに対する反応にただただ見惚れるばかりでした。
「ピィーーーーー」長めのホイッスルの合図で立ち止まる際には、しっかりとハンドラーの方を直視できるよう、進行方向から体全体の向きを(ハンドラーへ)変えて立ち止まり、次の指示を待ちます。呼び戻し、進め、止まれはホイッスルの合図で、方向(直進、左右)は指差しで行われていました。
下の画像はミーヤちゃんのトレーニングの様子。

指さされた方向へ一目散
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ホイッスルの合図で急ブレーキをかけて
↓ ↓ ↓

ヘンリックさんに注目!!
つづく・・・