犬は犬らしく生きてこそ犬の幸福は満たされる

コラム 犬の生態 2017年9月12日 

文:B-Paws 中沢俊恵

犬の幸せとは
「犬は人ではありません。」
当たり前に聞こえますが、犬と接する人はどれだけ犬のことを正しく理解し、受け止めているのでしょうか。
コラム2画像私たちが日常の中で当たり前に出来ていること、そこには人間としての本来の行動が多く含まれています。
それらの行動を禁じられると私たち人間は多大なストレスを抱えることとなります。
犬はどうでしょうか?犬としての本来の行動を、どれだけ日常の中で当たり前として行動出来ているのでしょうか?犬は私たちにとってあまりにも身近な存在であるせいか、“犬”であることを忘れられたように扱われることが多いと私は感じます。

犬は犬であるべきだし、犬らしく生きてこそ犬の心理学的幸福は満たされます。

「そもそも“犬らしさ”とは何なのか?」と考えた時、その正体を説明するのにしっくりくる言葉がなかなか浮かびません。しかし、私の中に明確にそれはあり、だけれども第三者にわかりやすく伝えようとするとなんだか妙な表現になってしまうことがあります。本当はそんなに複雑なことではないはずなのに、なぜそうなってしまうのか。「犬らしく」などと言わなくてはならない時点で、すでに違和感のある世の中だだなぁとも思えてしまいます。

多くの飼い主は愛犬を喜ばせたいと常日頃考えているはずですが、犬を喜ばせるための選択基準が、飼い主自身が望んでいることなのか?愛犬が望んでいることなのか?によっては、愛犬の為と思っておこなっていることが必ずしも愛犬の望んでいることとは限らなくなってしまいます。“愛犬の為”という名のもとで満たされているのは飼い主自身だけかもしれないということが、十分にあり得るということです。
「今度の休日には愛犬へのサービスとして、みんなを誘って遠くへ出かけて、思いっきり走り回って美味しいカフェに行って楽しませてあげよう!」と思っても、もしかしたら愛犬はお出掛けよりも、日頃忙しい飼い主とふたりでのんびりと休日を過ごしたいかもしれません。もしかしたら、他の犬や人は一緒でない方がくつろげるかもしれません。

犬の望むことを読み取るには・・・
「そうはいっても、どうやって愛犬が望むことを知ればよいのだろう?愛犬がいつどんな瞬間にどんな気持ちでいるのかを知るにはどうしたらよいのだろう?」
その答えを探ろうと思ったら、犬のボディランゲージを知る必要があります。ボディランゲージを知ることで、犬の感じている快・不快を正しく知ることが出来ます。そして、犬とはそもそもどういった動物なのかを知ることによって犬が持つ本来の姿を知ることが出来ますので、より犬の喜ぶことを探れるようにもなるでしょう。

例えば、ドッグランで他の犬達と楽しく追いかけっこをしていると思っていたけれど、ボディランゲージを読み取ると、実は相手を追い払うため・助けが得られずに追い詰められて不安を感じていたということがあります。そうとは知らずに追いかけっこを続けさせているうちに、愛犬が犬嫌いになってしまった!なんてことも。もしボディランゲージを読み取れたら、その場から愛犬を救い出す・ドッグランを出る・ドッグランには行かない等の選択肢が取れ、不必要に愛犬を不安に晒さなくて済むようになるのです。そして、愛犬が喜ぶ他の何かを見つけることも可能になっていくのです。
他にも例を挙げると、ボディランゲージを読み取ってみたら、実は愛犬は撫でられることに不快感を感じていた!なんてこともあります。これはなかなかショックです。しかし、愛犬が不快感を感じない撫で方や撫でる位置などを知ることが可能となり、結果的に愛犬との絆が更に深まることへと繋がります。
このように、まずボディランゲージを通して犬の感じていることを正しく受け止めることから始めてみるのはいかがでしょうか。

・・・と偉そうに言っている私も犬についてまだまだ勉強中の身です。飽きもせず15年もの間ずっと。そしてこれからも飽きることなく犬を知ろうとすると思います。犬と私自身が同種でないからこそ、です。
ちなみにですが、今の私が生きていくうえで「人間らしく」と考え悩んだことはありませんが、もし「人間らしく」と考え悩み出したとしたら、その時点で恐らく私はきっとツライ思いをしているのではないかと思うので、その台詞を吐かずに済んでいる現状は幸せなのかもしれません。

犬と人が幸せな関係でありますように。

今回も拙い文章にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。

中沢俊恵 Toshie Nakazawa http://b-paws.com/
<取得資格>
・日本ドッグトレーナー協会 A級ライセンス
・国際資格 CCPDT認定 CPDT-KA
・愛動物福祉協会 愛玩動物救命士
・JKC 愛犬飼育管理士