「脱感作」と「拮抗条件付」


2018年10月

文:ヴィベケ・S・リーセ / 訳:吉永優子 CPDT-KA

「問題犬」に呼ばれるとき、私はこれら両方のテクニックを使います。
「脱感作」と「拮抗条件付」を併せると、最も早く安定的な結果を得られ、それをいつどのように使うかについても、飼い主さんに理解してもらいやすいということがわかりました。

「脱感作」は、犬が普段反応してしまうどんなものに対しても、反応しないようにさせるのが主な目的です。
犬はその刺激に対して馴れる必要があります。
トレーニングは時間をかけて犬に刺激を”見せて“、その刺激に反応しないようにします。
もし反応する対象が犬、人、ものであるなら、犬が対象に対して反応しないくらい十分な距離をとってください。そして絶対に反応しないようにゆっくりとその距離を縮めていきます。

犬の反応する刺激が何であれ、犬にその刺激を見せなければいけません。

犬が刺激に反応しない距離を常に保つようにしてください。最終的に望む距離が達成されるまで、犬が刺激に反応しない距離を徐々に縮めることを続けます。
ごくごくゆっくりと進めてください。

もし犬の反応するのが音(花火、雷など)の場合、音量を犬が反応しないところまで下げてから、今度は犬が反応しないように時間をかけて音量を上げていきます。

「拮抗条件付」は犬が刺激に反応するのを止めるのではなく、犬がその環境に対処する別の方法を教えて、違う反応をするようにします。通常トリーツが使われますが、おもちゃや遊びも同様に使われます。

私は両方を同時に使います。二つを組み合わせるのが最も効果的なのです。
つまり、例えば音や雑音が問題だとしたら、私は犬がその音を聴くたびにトリーツを与えます。さらに音量を上げながら、ある時はトリーツの美味しさの価値も上げていきます。それぞれの犬の個性に合わせて進めます。

「脱感作」と「拮抗条件付」を同時に実施。

他の犬に対して攻撃や恐怖を伴って反応する犬に対処する場合、はじめのイラストにあるように距離を縮めていきながらトリーツを加えます。それが「脱感作」と「拮抗条件付」を組み合わせるやり方です。 進歩が見られないからと考えて急ぎすぎると、通常問題が起こります。
とても簡単で効果的です。しかし二次強化子を与えるタイミングやトリーツの与え方がとても大切である点に注意してください。 タイミングとトリーツの与え方については次回11月の記事でもっと詳しくお話いたしましょう。

真心をこめて
ヴィべケ・S・リーセ RPTM デンマーク

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