危険な橋など渡りたくない。

コラム その他 2019年5月29日 

文:B-Paws 中沢俊恵,CPDT-KA

もし何処かに行くとき目の前に、高確率で壊れるかもしれない橋とそうでない橋があったとしたら、みなさんはどちらの橋を渡りますか?
多くの方が、わざわざリスクを負うのは出来るだけ避けたいなぁと考えるのではないでしょうか。 

犬を育てるときも同じように考えてみませんか?

犬を追い詰めて恐怖感を与えてしまうようなしつけ方や接し方は、犬を“攻撃的な犬”と呼ばれるような犬に育ててしまう可能性が高くなります。もちろん、そのような育て方をしたからといって100%そうなってしまうとは限らないでしょう。

しかし、わざわざそのリスクを負う必要もないはずです。

 犬が何か私たちにとって都合の良くない行動をしたとして、それを私たちは「いけないこと」と思って犬の行動をたしなめ「良くないことだと教えてあげる」つもりで叱りつけたとしても、その伝え方が犬にとって理解しがたい方法であった場合、伝わらないどころか、場合によっては、私たちから攻撃を受けたと犬に感じさせてしまうでしょう。

攻撃を受けたと感じた犬が取る行動は、身を守るための行動となります。唸るかもしれません。噛みつくかもしれません。心を閉ざしてしまうかもしれません。

問題行動のカウンセリングでは、このような経緯を辿ってきて問題をこじらせてしまっているケースが少なくありません。
誤解のないように言っておくと、こうしたケースの飼い主さんは誰も悪意があって犬を追い詰めてしまったのではなく、ただ単純にそれ以外の方法を知らなかっただけなのです。
それ以外の方法を一言でいうならば、褒めて伸ばす・・・なのですが、この一言だけでは説明は不十分で誤解を与えがちです。闇雲になんでもかんでも褒めれば良いとか、叱るときは叱って褒めるときは褒めてということでもなく、”ヒトとは異なる犬と云う動物の生き方を受け入れたうえ”で犬にも伝わりやすい方法を用いて犬の正しい行動をどんどん肯定していく必要があります。否定よりも、肯定をしていくのです。

 

犬にも伝わりやすい方法のひとつは、ご褒美となるような食べ物を用いることです。食は命に直結しているものですから、ご褒美として非常にわかりやすいツールです。

その他にも犬に伝える具体的方法はありますが、RPTM Japanのページで私が具体例を挙げるよりも、ヴィベケの本やDVD、セミナー、RPTM Japanヴィベケ直筆コラムから学んでいただくのが正解かと思います。ヴィベケのメソッドは、犬も飼い主もリスクを負わずに健康的に生活を共にしていく為の内容となっています。厳しく犬を罰するような方法とは異なり、もし仮にうまくできなかったとしても、犬に大きなダメージが生じないメソッドです。興味のある方もそうでない方も、一度は触れてみていただきたいものです。

 

「嗚呼、今日も愛犬は失敗ばかり!今日もこれができなかった!あれが出来なかった!」

・・・と犬の失敗にばかり目を向けるより・・・

「今日はあれが出来なかったけど、これは出来たね!こんなことも出来るんだね!」

・・・と犬の良い面を見つける方がステキだと思います。その方が犬もヒトも笑顔が増えると私は思うのです。うまくいかないこともあるでしょう。でも、なにもかもがダメな愛犬なんていないのですから!

 

私は大切な愛犬を育てるのにリスクなんて負いたくないと思っているのですが、みなさんはいかがでしょうか。

 

 B-Paws中沢俊恵,CPDT-KA

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