犬にとってのストレスとは何か? Part1(3回シリーズ)
2018年6月
文:ヴィベケ・S・リーセ / 訳:吉永優子 CPDT-KA
ストレスは犬と人どちらにとっても大変深刻な状態です。そしてそれは真剣に捉える必要があります。今年2月の記事の中で、私は犬の遊びの重要性について書きました。「遊びと友達は、すべての犬にとり私たち自身と同じようにとても大切なものです。しかし、それはコントロールされた遊びであることが非常に大事です。」
だれでもその人なりのレベルで遊ぶことが必要で、だれもが友達を必要としています。けれどもし遊びがあまりにも乱暴で、あまりにも頻繁で、そしてあまりにも長時間許され、カットオフシグナルによってコントロールされないならば、私が同じ記事の中で述べたように、ストレスのリスクはとても大きいのです。あるいはもし飼い主が犬を運動させるのではなく、犬を活発にするのだといってぐいぐい引っ張ったり闘わせたりするなら、「良好に運動できた犬」ではなく「ストレスを抱えた犬」を創り出す可能性が大きいです。
ストレスはすべての生きる個体にとって、生き延びるために価値あるものです。もし私たちがストレスを感じないなら、私たちは脅威に対して十分に素早く反応することができません。すべてのストレスは生来肯定的なストレスとして始まっています。しかしもし犬がトラウマを感じ、ストレス要素が長期にわたって継続するか犬が自分でその状況を何とかできると思えなくなると、それは否定的なストレスへと変わり、犬の身体に影響を与えて問題行動、身体的な病気、性格の変化を引き起こす結果となるのです。
わかりました、しかしなぜ私の犬がストレスを受けるのですか?
理由のいくつかは興奮した子供たちの集まりなど明らかです。多くの犬にとって、それはかなり精神的に疲れることなのです。
他に考えられること:
● 犬は習慣化されたことを好みます ― 散歩にせよ食事にせよ、邪魔をされると彼らは神経質になります。
● 精神的な刺激の欠如は犬を退屈にします。おもちゃ、仕事、わくわくする運動は、どれもストレスを和らげるのに重要です。
● 音 ― 21世紀の生活、特に都会の住居は、犬を音攻めにします。
● 他の人々 - 犬はみなそれぞれ違いますが、どんなに来客や子供が好きであっても、人込みや見知らぬ手になでられることは彼らの神経に著しく影響を及ぼします。あなたの犬の好みを知るようにしましょう。
● 私たち、飼い主 - そうです。私たちが直接彼らに話かけるにせよ、彼らに期待しすぎるにせよ、私たちの気分や励ましは彼らを一生懸命にさせるかもしれませんが、喜ばせることはできません。
私は何ができますか?
● 予防 - 音や人込みにさらすようなストレスの多い環境要素を減少させること。運動や精神的な刺激は不可欠です。
● ボディランゲージの交換 - 唇をなめるとか、瞬きをするなどの行動を真似して返してあげることが、あなたの犬の落ち着こうとする努力をサポートすることになります。(ストレスシグナルを理解しましょう)
● 安全圏 - あなたの犬が安全で落ち着ける「自分の場所」だとわかるクレートやマットを、必ず用意してあげてください。
● トレーニング - 自分の周りの世界や人間のパートナーに対して自分で対処する方法を知っている犬は、幸せな犬です。 トレーニングされてない犬は周りの世界を何とか理解しようとして不必要な不安にさいなまれています。
● 一貫したケアの提供者 - ドッグホテルは見知らぬ人々と同様にストレスになる可能性があります。愛情深いドッグシッターはストレスを軽減させます。プロのお散歩代行者も同様です。
以上、 真心をこめて
ヴィべケ・S・リーセ RPTM デンマーク