小型犬にトレーニングは必要ないのでしょうか?

2018年3月 

文:ヴィベケ・S・リーセ / 訳:吉永優子 CPDT-KA

「犬をトレーニングする時間がないし、小型犬ならトレーニングの必要がないから、私は小型犬が欲しいわ。」
こんな言い方を、私はこれまでたくさん聞いてきました。そして、これは完全に間違っています。小型犬も大型犬と全く同じくらいトレーニングが必要です。

小型犬は、もし間違った行動をしたら簡単に抱き上げて運んでいくことができます。大型犬はそうはいきません。
しかし、精神的に健康でいるためには、小型犬は大型犬と同じくらい人と協力して脳を活用することが必要です。
犬の脳は健康であるために使われなくてはいけない、ということが科学的に証明されています。
学習性無力症、認知症、精神錯乱が様々な問題行動に発展し、それゆえに「問題犬」というラベルを貼られた犬が、犬生においてどんなやりがいのある仕事も経験してこなかったことで、怯えたりとても不安な気持ちでいるのをよく見かけます。

 

犬には生まれつき次のようなスキルがあります:
コミュニケーションをとるスキル
問題を解決し対策を見つけるスキル
匂いを嗅ぐスキル
音を聴くスキル
集中して焦点を合わせるスキル
狩猟のスキル、ある犬種は他の犬種よりも有能です。
多くのスキルの中でも特に、同種間あるいは人と協力するスキル

 

これらは彼らが持って生まれたほんのいくつかのスキルですが、多くの犬たちがそれらのスキルを使うことを許されていないのです。彼らはクレートの中や家の中で暮らし、彼らの生活は散歩とご飯を与えられ撫でられることだけで成り立っています。しかし、彼らはもっとたくさんのこと~犬として生き、課題を解決し、協力し、彼らの鼻をノーズワークやにおい嗅ぎに使い、外界の音を聴き外の世界を経験し、何かを追いかけたり狩りのトレーニングをしたり、彼らにとって最も重要な人間の家族や飼い主と協力することが必要なのです。

 

これらのことは、サイズや犬種にかかわらず、すべての犬にとって大切なことです。それぞれの飼い主は自分たちの犬にとって何が最も重要なのかを理解しなければなりません。
もし犬がどんなことにせよ私たちが受け入れがたい行動を示すならば、私たちは次のことを思い出さねばなりません。
すべての行動には理由があります。
犬にとっては私たちが彼らに提供する生活がすべてなのです。だからできる限り充実した犬生を彼らに与えてあげましょう。

 

RPTM,ヴィベケ・S・リーセ
デンマーク

※このコラムは、過去に他媒体(月刊誌)に掲載された内容を再録したものです。