セラピードッグについて

文:ヴィベケ・S・リーセ / 訳:吉永優子 CPDT-KA

 

 

2017年12月

ヴィべケ・S・リーセ (デンマーク)

 

「セラピードッグ」という言葉はデンマークではとても紛らわしくとらえられていて、多くの政府機関は犬が精神的障害者に対して何ができるのか確信を持てずにいます。

そこで、私が主催する「デンマーク サービスドッグ・ソーシャルドッグ協会」が 精神医学のサービスドッグをトレーニングするために選ばれました。それはつまり、犬にサービスドッグとしての基本トレーニングを受けさせ、そののちに人の恐怖、不安、ストレス、抑うつを専門に感じる技術を身につけさせるということなのです。

 

私たちの協会は複数のサービスドッグ部門からなっていて、それぞれの目的に沿ってトレーニングされた人と犬を擁しています。デンマークでのサービスドッグ部門の利用はいまだ途上です。 歯医者や、病院の診察や検査、学校での読書、買い物に行くなど様々な状況で不安を感じる子供や大人を手助けするために、サービスドッグ部門がどのように利用してもらえるか政府機関に理解を働きかけているところです。

また私たちの部門は、小児病院で子供たちを安心させたり、楽しい時間と癒しを同時に与えるために病院を訪問することも出来ます。

 

私たちはまた、PTSD(=心的外傷後ストレス障害)の兵役経験者や、PTSDその他によって精神的、身体的な障害に苦しむ民間人のための精神医学のサービスドッグもトレーニングしています。

 

すべての犬は、2年間のトレーニングプログラムを受けるに“必要な資質”を備えているかどうか最初に見極めるため、16項目のテストにパスしなければなりません。 犬の飼い主もまた、自分の犬を私たちのプログラムでトレーニングする資格を得るため、テストにパスしなければならないのです。

 

トレーニングのために犬を訓練所に預けることはありません。すべての犬は自宅で家族と共に生活します。そして犬はハンドラーである飼い主と一緒にトレーニングを受けるのです。理由はそれぞれ異なりますが、トレーニング期間中犬を自宅で飼うことが出来ない人々もいます。そこで今私たちはハンドラーのひとりが自宅で同時に3頭の犬を飼い、障害者の家に移動できるよう事前トレーニングをする教育を進めています。

 

サービスドッグや精神医学のサービスドッグ、裁判犬(裁判中の人々の心を慰め、安心させる手助けをするようにトレーニングされた犬)はここデンマークではとても新しいことで、まだやらねばならないことがたくさんあります。

 

2018年には日本で精神医学のサービスドッグについてもっとたくさんのことをご紹介できることを、とても楽しみにしています。

 

RPTM ヴィベケ・S・リーセ(デンマーク在住)

 

 

※このコラムは、過去に他媒体(月刊誌)に掲載された内容を再録したものです。