犬はオオカミでしょうか?

文:ヴィベケ・S・リーセ / 訳:吉永優子 CPDT-KA

 

 

2017年11月

 

犬はオオカミでしょうか?

オオカミについてはたくさんの神話があります。-どのように行動するのか、どのように子育てをするのか、どのように群れが機能し、どのようにいわゆる「アルファ」が支配によって群れを統制するのか。それによってオオカミは悪い評判を与えられてきてしまいました。-それは彼らにとって不当です。オオカミは、相互の尊敬、協力、友情そして愛情を土台にした驚くべき家族構造を持つ威厳に満ちた動物なのです。

 

自然界において、「オオカミの群れ」などというものは存在しません。それは家族です。私たちがオオカミの群れと呼ぶものは、実際には年の違う子供たちを連れたオスとメス~家族なのです。子供たちうちの何頭かは、十分に成長すると配偶者を見つけ新たな家族をスタートするためにその家族から去ります。そしてその他のものは新しい子供たちを育てる手助けをするためにそこに留まります。支配的なアルファオオカミによって率いられている「群れ」などというものは存在しません。彼らは私たちが自分の子供たちを育てるのとまさに同じように、仲が良く尊敬に満ちた父母オオカミによって率いられ育てられているのです。

 

不幸なことに犬の飼い主はたくさんのこういった古い神話を採り入れ、これらのことを自分の愛犬に対して行なっています。私たちは、しばしばとても有名なドッグトレーナーの元からやってきた飼い主たちが、彼らの愛犬を服従させるために、犬を地面に押し付けて力づくで従わせ、「アルファの役」をするように言われてきたと話すのを聞いています。彼らは支配によって犬のリーダーになるために、犬に向かって怒鳴ったり、リードを乱暴に引っ張ったり、犬を従わせるためとてもたくさんのもっと恐ろしいことをするべきだと言われてきたのです。

 

私は、そんなことを言ったりしたりするドッグトレーナーは、実際、犬やオオカミについての知識を最新のものにする必要があると言わざるを得ません。

私はこれまでオオカミ、トラ、キツネ、豚、鶏、家猫、魚そしてさらにたくさんの異なった動物たち、そしてもちろんたくさんの犬をトレーニングしてきましたが、動物たちに対してそんなことをする必要は一度たりともありませんでした。すべてのトレーニングは尊敬と協力とコミュニケーションと友情の上に築かれるべきです。どのようなトレーニングといえども、始まる前に信頼と友情が確立されていなければなりません。

 

もしあなたがそのようなことをするならば、あなたがトレーニングする犬や動物たちからは、あなたに対する不信しか得られません。

犬や動物たちは自分たちに向けられるそういった行為を決して理解しません。あなたは決して、犬や動物たちからの尊敬を得ることはないでしょう。あなたのコマンドに喜んで応えるのではなく、あなたのコマンドに従わないわけにいかないから反応しているような動物しか手に入れることはできません。

RPTMシステムでは、それはとても間違ったことなのです。

 

個人的に私は、私たちがよい関係性を持ち、お互いを尊重し、よいコミュニケーションと深い友情を持っているからこそ、犬や動物たちが私がして欲しいと思っていることをするということを望んでいます。

 

どのような種の動物のトレーニングの際にも、あなたはたくさんのユーモアと喜び、尊敬、(動物の行動についての)知識と友情を持つべきです。

親切心は、調和とバランスのとれた個体に発達するためには、栄養と同じくらい重要なものなのです。

 

RPTMのスローガン:

 

もしあなたが尊敬されたかったら、あなたが尊敬を示しなさい。

もしあなたが協力してもらいたかったら、あなた自身が協力しなさい

 

これらのことは、簡単なテクニックによってできます。犬が必要とすること、行動やコミュニケーションについて学んでください。

 

ヴィベケ・S・リーセ(デンマーク在住)

メスのキツネと私 / 「オスワリ」のトレーニング中

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※このコラムは、過去に他媒体(月刊誌)に掲載された内容を再録したものです。